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スペシャルゲスト対談:LiLiCo×西成活裕(1)

スペシャルゲスト対談 第2回 LiLiCo×西成活裕 「ウザいことを言う人」が増えれば日本は良くなる!

MUJICOLOGY!研究所では、西成活裕所長の「渋滞学」を元に、ドライバーが「思いやり」を持って運転することによって、渋滞緩和や燃費向上、事故減少につながるという研究成果をさまざまな角度から紹介してきました。今回お越しいただいたのは、タレント・映画コメンテーターのLiLiCoさん。海外と日本の交通事情の違いの話を皮切りに、日本に「思いやり」が薄れてきた状況を打破するためにはどうすればいいのか? という大きな話につながった、西成所長との熱いトークをぜひご覧ください。

インタビュー:佐々木鋼平(CINRA.NET)
テキスト:杉山洋祐(編集集団WawW!Publishing) 撮影:相良博昭

海外交通事情から見える日本の渋滞の異常さ

西成:渋滞というと、普通は車の渋滞のことを想像されると思います。でも私は車だけではなくて、私たちを取り巻く社会と環境のあらゆる問題を、「渋滞」というキーワードで研究し、解決していきたいと考えているんです。たとえば、人の混雑はなぜ起こるのか? アリの行列はなぜ渋滞しないのか? 鳥の群れにも混雑はあるのか? もっといえば、人の体の中にもいろいろな渋滞があって、それが病気につながっていることもあります。腸閉塞なんて、まさに腸の渋滞によって引き起こされる病気です。

LiLiCo:体の渋滞ってちょっと楽しそうですね。車の渋滞の研究はイライラしそうですけど(笑)。私はスウェーデンの生まれなんですけれど、あの国は面積が日本の倍近くあって、人口は東京よりも少ないんです。だから、何十キロの渋滞なんて見たことありませんでした。日本に来てしばらくは、「自然渋滞」という言葉の意味がよくわからなくて。それこそ、「渋滞は先頭の人が悪い!」とずっと思っていましたよ。

左:LiLiCo 右:西成活裕

西成:渋滞はほとんどの場合、知らず知らずのうちに起こります。車間距離を空けたり、車線変更を譲り合ったりするだけでも渋滞は緩和できるということを多くのドライバーが共有できていればいいのですが。とはいえ、特定の遅い車が渋滞の原因である場合ももちろんあって、実際、私は東名高速の40キロ渋滞が起きた瞬間を見たことがありますよ。それまでスムーズだったのに、ある車が強引な車線変更をしたため、追い越し車線上にいた後続の車が「危ない」と思って、ギュッとブレーキを踏んだんです。そのブレーキが後ろの車にトントントンと伝わって、あれよあれよという間に大渋滞になってしまいました。

LiLiCo:そういう人には、「あなたには思いやりがないんですか?」っていう小学生レベルの質問をしたくなりますね。それで若葉マークみたいに、「私が渋滞を起こした者です」って一目で分かるマークをつけてもらう……というのはやり過ぎにしても、私は日本以外の社会や交通事情や人を知っているので、どうしても比べて不思議に思うことが多いんですよ。「なんでこうしないのかな?」「どうしてこうなっちゃったんだろう?」って。

西成:私も海外の交通事情には驚かされることばかりです。一度、インドネシアに視察に行ったんですが、あっちには信号機がないんですね。信号機がないから、交差点なんかもうカオスですよ。四方八方からぎりぎりですれ違うんですけど、なぜかスムーズに流れているんです。現地の人に、「信号を導入したらもっと安全ですよ」と言ったら、「余計渋滞するからダメだ」と言われました。「われわれは信号機の能力をはるかに超えているんだ」と。そのときに、人間の力はすごいな、とあらためて思いましたよ。

環境が良くなるほど、人はものを考えなくなる?

LiLiCo:信号といえば、日本は片方の信号が赤色に変わっても、もう片方の信号が青色に変わるのに3秒くらいタイムラグがあるじゃないですか。でも、スペインではあのタイムラグがなかったんですよ。赤になった瞬間にもう一方が青になる。それで渋滞が減るのかどうかはわからないですけど、「なるほど賢い」って思っちゃいました。すぐに車が来るっていう意識があるから、誰も無理やり割って入ろうとは思わないですよね。「へー」と感心しながら運転してたら、迷子になりましたけど(笑)。

西成:そのタイムラグのことを、クリアランスタイムといいます。なぜそんな時間を取るかというと、「まだ道路を渡っている人がいるかもしれない可能性」を考慮しているんですね。高齢者の方が取り残されていたりしたら大変なので。そういった形で、人の安全を中心に考えるのか、全体の流れを中心に考えるかで、システムや法律は随分変わってくるわけです。じつは、日本はかなり「人の安全」を中心にしたシステムで設計されています。万が一の事態に備えることは大切ですが、それが積もり積もってものすごい損失を生むこともあるので、一概にどちらの方向性が良いとは言えません。しかしだからこそ、システムだけに依拠しない、一人ひとりの思いやりによる改善が重要になってくると思うんです。

LiLiCo:もちろん環境設計やテクノロジーの進歩も大事なんですけれど、それとは別に、それを運用する人たちの意識も同時に高めていかないと意味がないと思うんです。結局、運転しているのは「人」なわけで、自己中心的な運転をする人は、車から降りても自己中心的な生活を送るはずだから。

西成:おっしゃる通りだと思います。以前、交通関係の仕事をしたときの話なんですが、ある地域で、「歩道が狭い」という苦情が来たんですよ。そうしたら普通は、「じゃあ道路を拡張しましょう」となってしまうんです。でも、よくよく調べたら、広さはとくに問題なくて、単に人を避けずに歩道の真ん中を歩いている人がたくさんいるために混雑していただけのことだったんですよ。「歩道の端を歩きましょう」という心がけで済む話なのに、調べもせずに道路を拡張しようというのは、さすがにどうかと思います。

LiLiCo:環境整備や技術発展の前に必要なのは、「思いやり」の教育なのかもしれませんね。

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